本:日本はなぜ原発を輸出するのか (2014)

鈴木真奈美(2014)『日本はなぜ原発を輸出するのか』、平凡社新書。

筆者は、フリーランス・ジャーナリストであり、英語と中国語の翻訳者である。彼女は核をめぐる問題に積極的に取り組んでおり、代表的な著作として『核大国化する日本——平和利用と核武装論』(2006年、平凡社新書)や「『フクシマ・エフェクト』:『脱原発社会』への道を歩み出す台湾」(『現代思想』、44(7)、194-204)などが挙げられる。

Post-Fukushima Nuclear Politics in Japan

Aldrich, Daniel, James Platte, and Jennifer Jennifer. “Post-Fukushima Nuclear Politics in Japan, Part I.” Blog. The Monkey Cage, April 1, 2013. http://themonkeycage.org/2013/04/01/post-fukushima-nuclear-politics-in-japan-part-i/. In this three-part blog post, Daniel Aldrich, James Platte, and Jennifer Sklarew summarize development in Japanese politics, bureaucratic organization,

本: Site fights: Divisive facilities and civil society in Japan and the West

本書は原子力発電所や空港やダムなどといった市民全体にとっては必要であるものの、それらの施設が設置される地域共同体には好ましくない影響を及ぼす可能性のある施設について、日本の国家機関と市民社会の関係性という観点から論じた専門書である。著者のダニエル・P・アルドリッチ(パデュー大学準教授)は本書を通じて、国家機関は市民社会の成熟度が低い地域にこれらの施設を設置する傾向があると主張している。

記事: Hatoko comes home: Civil society and nuclear power in Japan

被爆地である広島からそう離れていない山口県上関町がいかにして1980年代初頭に原子力発電所を誘致するに至ったかを検証した研究である。1974年4月、日本放送協会(NHK)は朝の連続ドラマ「鳩子の海」の放映を開始した。この連続ドラマは、広島で被爆した後に山口県上関町の住民の養子となった少女(平和のシンボルの鳩から「鳩子」と名付けられる)が成長する過程を描いている。

BOOK: Disaster and the Politics of Intervention 『災害と介入における政 治』

Lakoff, Andrew, ed. 2010. Disaster and the Politics of Intervention. New York: Columbia University Press. アンドリュー・レイコフ編(2010)『災害と介入における政 治』コロンビア大学出版. 本書は「大災害に至るリスクを軽減するために公共機関によって行われる介入の役割」(1頁~2頁)について様々な観点から論じている専門書である。本書は編者のアンドリュー・レイコフ(南カリフォルニア大学准教授)による序文に加えて以下の論文によって構成されている。 Chapter 1: “Beyond Calculation: A Democratic Response to Risk,” by Sheila Jasanoff. Chapter 2: “Private Choices, Public Harms: The Evolution of National

ARTICLE: 災害資本主義の発動 二度破壊された神戸から何を学ぶのか?

本論文はナオミ・クラインの「災害資本主義」という概念に依拠しつつ、3.11の復興に付随する「大規模な社会的再編」について歴史的脈絡に即して分析した論考である。筆者によると、1995年に発生した阪神淡路大震災で破壊された神戸の街は、「復興」の名目のもとで組織的に公共事業などによって再び破壊され、震災の後に起きた自然と災害をめぐる科学論争も経済と行政権力の論理によって蹂躙された。筆者は、このような大災害を契機とした「組織的収奪」を促進する「災害資本主義」が3.11後の日本でも発動され、「総力戦体制の構築が行われる」と警鐘を鳴らしている。

ARTICLE: ‘The Energy of a Bright Tomorrow:’ The Rise of Nuclear Power in Japan (2011)

Nelson, Craig. 2011. “‘The Energy of a Bright Tomorrow’: The Rise of Nuclear Power in Japan.” Origins 4 (9) (June). http://ehistory.osu.edu/osu/origins/article.cfm?articleid=57. Ohio State University’s online journal Origins (tagline: “Current Events in Historical Perspective”) has published a highly accessible article by

BOOK: A Social History of Nuclear Power: Its Development in Japan (1999)

Editors’ Note: A new edition of this book was published in 2011 by Asahi Shimbunsha after  this annotation was originally posted.  Yoshioka, Hitoshi 吉岡斉. 1999. Genshiryoku no shakaishi: sono Nihon-teki tenkai. 原子力の社会史―その日本的展開. Asahi Shinbunsha. 朝日新聞社. Hitoshi Yoshioka gives an overview and